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ティファニー アトラスリングのサイズ直し
こんにちは 宝飾加工担当の佐藤です。
本日も修理のご紹介です。
今回はシルバーリングのサイズ直しです。
リングサイズが大きかったのでお客様の指に合わせてサイズを小さくする修理のご紹介です。
こちらはティファニー製のアトラスシリーズのシルバーリングです。
リングのサイズ直しでは、まずはじめに確認しながら修理をしないといけない項目があります。
・素材は何か(貴金属かどうか)
・1度でもサイズ直しをした製品なのか。
・わからない場合はサイズ直しの加工跡の有無。
・リングの内側に石が留まっているか。
・宝石がついているのか。
・サイズ直しの際に内側に刻印が入っていて影響が出るかどうか。 など
細かい条件により加工の難易度・加工方法が変わります。
こちらは内側のブランド刻印に注意する以外は当てはまらなかったので、
そこに注意をしながら、サイズ直しに必要なリングを切る場所を設定し加工していきます。
今回はサイズを縮めますので小さくしたい分を切断後
リングの形を整えて溶接加工をします。
リングに傷をつけないように、ゴム製のハンマーで
切断部分の両はしを叩き隙間ができないように合わせます。
リングの色が変わっているのは、地金(今回は銀)が硬いので
『焼き鈍し(やきなまし)』をするのに火を当てた為
銀の表面が酸化して白く変色したからです。
『焼き鈍し(やきなまし)』は熱された金属を水につけることにより、
急冷されて地金が柔らかくなる加工のことです。
『焼き鈍し(やきなまし)』について、詳しくはまた別の機会にご紹介いたします。
合わせがしっかり出来たことを確認できたので、溶接加工を行います。
こちらが溶接直後の状態です。
これから仕上げ作業を行い、完成となります。
今回はお客様のご要望により『燻し(いぶし)』を施して
リングの凹凸をはっきり分けて見えるようにした加工を施します。
『燻し(いぶし)』は銀と硫黄の化学反応を利用した加工法です。
凹凸が分かれて見えることにより、立体感をより強調するものです。
メンズリングやデザイン物に多く使われる技法です。
ここからもう1度最終仕上げを行い完成です。
イブシ加工の場合は基本的に2回研磨加工を行います。
燻部分は完成の際仕上げを入れられないので1回目の仕上げで完成させます。
あとは全体が黒いので残りの表面部分をきれいにすると
デザインの凹凸がはっきりした綺麗なリングに仕上がります。
またご覧いただければ幸いです。
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